翻訳蒟蒻

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iTunesの次のライバルはアマゾンかもしれない

2月4日にGIGAOMに掲載された記事を訳しました。

アマゾンがMP3のダウンロードビジネスを始めたのは記憶に新しいところです。私もいくつか購入しましたが、やはりまだまだ品揃えの点でiTunesにはかなわないようです。今後、アマゾンがiTunesに追いつく日は来るのでしょうか?iTunesのようなサービスもクラウドモデルに移行すると予想されていますが、もしかしたらそれがアマゾンにとってチャンスになるかも知れません。

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iTunesの次のライバルはアマゾンかもしれない
By Michael Wolf Feb. 4, 2011, 8:45am PST / GIGAOM

今週の、アップルがアプリ内購入を強制するというニュースには、驚いた人は一人もいないだろう。8ヶ月のあいだ、アップルは傍観してきた。iPadの肥沃な土地で、アマゾンが大はしゃぎで電子書籍ビジネスを育てるのを。その間ずっと、アマゾンがユーザーをブラウザ経由で自分の店先に誘導し、そちらで会計を済ませることでアップルの30パーセントの税金を回避し続けてきたのを。そしてアップルは決断した。この茶番に幕を下ろすことを。

やれ囲い込みだとか独禁法だとか声高に叫ぶ者達よ、現実を見よ。アップルがやってきたことは、完全にアップルの権利の範囲内だ。結局のところアップルの製品なのだから。アップルのAppストアであり、ルールを決めるのはアップルだ。

とはいえ、クパティーノ(訳注: アップル本社の所在地)の判断も正しかったかどうか。事実、アップルが最近の行動について後悔しはじめたのではないかという理由がいくつかあり、そのうち5つに関してGigaOM Proの週間報告(購読が必要)で書いた。

もしかしたら最大の理由は、私が思うに、アマゾンがiTunesとAppストアに代わるものを開発し始めるよう、仕向けてしまったのではないかということだ。

これは正確にはどういう意味だろう?数週間前に言ったとおり、次世代のiTunesは間違いなくクラウド化されるはずだ。そして、全く同様にコンテンツ/権利の保管庫となり、ストアフロントそしてレコメンデーションエンジンになる。

そういうものはすでに存在するという人もいるだろう。例えば、GroovesharkやSpotifyの様な音楽サービスを指して。DropboxやSugarsync、またはRealが今度始めるUnifiのようなバックアップと同期のソリューションの名前を挙げる人もいるかも知れない。どれも良いソリューションではあるが、決済と同期、そして異なる種類のコンテンツ管理を統合したソリューションでなければ、クラウドベースのiTunesとは言えない。

確かにアマゾンはそのようなソリューションを今は持っていない。しかし、その中核になり得る強みを、彼らは持っている。

レコメンデーション。インターネットでのレコメンデーション機能を発明したのはアマゾンだと言っても過言ではない。技術的にもスケーラビリティの点からも問題ないことは、グーグルが保証済みだ。パーソナライズされたコンテンツとコマース・ハブとの融合こそ、アマゾンの強みの源泉だ。しかしながら、アルゴリズムベースのレコメンデーションからソーシャルベースのレコメンデーションへの移行は避けて通れないだろう。アップルがPingを始めたように。

買い物機能。アマゾンは世界をリードするオンライン小売業者である、以上。これが強みなのは間違いないが、アプリケーションとコンテンツの販売はアップルにはかなわない。しかしながら、アップルが音楽販売とポータブルデバイスの分野での指導的立場を利用したのと同様に、アマゾンも電子書籍での指導的立場と強力なオンラインショッピングの市場シェアを利用してサービスを拡大すればよいし、その他のコンテンツのビジネス拡大も可能だ。

スケーラブルなインフラ。アマゾンは、スケーラブルなクラウドベースのインフラの分野でもリーダーだし、消費者向けの統合メディアハブを広く提供する上でも、コスト的に非常に有利であるのは間違いない。

もちろん、アマゾンも完璧というにはほど遠い。同社の製品であるキンドルは閉鎖的だ。MP3のストアフロントも、売り上げの点ではiTunesに大きく水をあけられた二流品だ。ビデオサービスは実際のところがらくた当然で、Netflixに対抗した見放題サービスには火がつかずにくすぶったままだ。こういうビジネスモデルを成功させるためには、明らかにいくつか会社を買収する必要がある。(手始めに、上で名前を挙げた会社あたりが良いのではないか。)

全てのアップルの競合会社の中で、例外の可能性があるとすればグーグルを除いて(アマゾンがグーグルと近い関係にあるのは賢明)、アップルといい勝負になりそうなのはアマゾンだけだろう。より多くのコンテンツがクラウドに移行するし、アップルはiOSワールドの企業から金を吸い上げている。アップルの今週の動きによって、私はアマゾンが何かやってくれる気がする。

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ソース: GIGAOM - Amazon Could Be the Next Big iTunes Competitor By Michael Wolf Feb. 4, 2011, 8:45am PST (http://gigaom.com/2011/02/04/is-amazon-the-next-itunes-competitor)