翻訳蒟蒻

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バッテリー技術ならアメリカもまだ負けていない

gigaomに2月29日に掲載された記事を訳しました。

米エネルギー省高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency - Energy: ARPA-E)が主催するエネルギーイノベーションサミットが2012年2月27日から29日まで開催されました。バッテリー技術についてはこれまで日本と韓国の2強がコンシューマー向け市場を支配してきましたが、どうやら電気自動車や電力網など、今後大きな需要が見込まれそうな分野では、アメリカが市場をリードしそうな勢いがあります。日本もコモディティ化が進んだコンシューマー向け市場には早く見切りをつけたほうが良いかもしれません。

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バッテリー技術ならアメリカもまだ負けていない

ケイティ・ヘーレンバッハ、2012年2月29日 / gigaom

バッテリー技術に関しては日本と韓国のバッテリー界の巨人たちが長きにわたって世界を支配してきた。ラップトップパソコンや消費者向け電子製品のバッテリーについて言うなら、この状況はまだ続きそうだ。しかしながら、今週開催されたエネルギー省主催のARPA-Eにおいて、十数社のバッテリー関連企業や研究所が、電気自動車や電力網向けのバッテリーに関する新技術を披露した。このことは、プロトタイプのレベルではあるものの、バッテリーに関する技術力がアメリカではまだまだ健在な証拠であり、次世代の交通及び電力網技術をアメリカがリードする可能性を示唆するものだと言えるだろう。エネルギー省長官のスティーブン・チューは火曜日に行った講演で、この3~4年におけるアメリカ国内のバッテリー技術の進歩は「夢のようだった」と述べた。ARPA-Eにおけるこれらバッテリー関連企業へのインタビューの中で、多くのCEOたちが、電力網やEV向けの蓄電技術の出現を指して新たなブームであると述べた。

チューは講演のなかで、Vorbeck Materials社というスタートアップ企業が、パシフィック・ノースウェスト・ナショナル研究所(PNNL)及びプリンストン大学と共同で、グラフェンを使った次世代リチウムバッテリーの開発を行なっていることに触れた。ウォルマートの前CEOリー・スコットは講演で流体エネルギーについて語り、氏が取締役を務めるアリゾナ州フェニックスのバッテリー関連企業が、充電可能な金属空気電池を製造していると述べた。

シリコンバレーでバッテリーを製造しているEnvia Systems社は今週、走行距離300マイル(480キロ)レンジの電気自動車向けの高エネルギー密度バッテリーを、2万5千から3万ドル程度のコストで製造可能とするブレークスルーを実現したとARPA-Eにて発表した。Enviaは、ベンチャーキャピタルゼネラル・モーターズ社、そしてエネルギー省からの支援を受けている。「電気自動車向けバッテリーの開発レースは、日本、韓国、そしてアメリカの3カ国が先頭を争っている」と、Envia Systems社CEOのアトゥール・カパディアはARPA-Eでのインタビューに答えて言った。Enviaはグローバルなバッテリー製造企業とパートナーシップを結び、その技術をライセンス提供するかジョイントベンチャーを立ち上げたい目論見だ。

ニュージャージーを拠点とするスタートアップ企業のEos Energy Storage社は、空気と亜鉛を使った電力網向けの低コストなバッテリーを製造中で、キロワット時あたり160ドルのコストで2年以内に製品化する狙いだ。同社社長のスティーブ・ヘルマンはインタビューに答えて、電力網向けバッテリーの技術革新に関してはアメリカがリードしており、他の国でARPA-Eのようなイベントを開催しても、会場を新技術で埋めることは難しいだろうと述べた。

ビル・ゲイツが出資するソディウム製バッテリー製造のスタートアップであるLquid Metal Battery社のCEOフィル・ジュディチェもまた、電力網向けバッテリーの分野ではアメリカが支配的と語った。電力網向けバッテリーの技術革新及び投資に関しては、アメリカは他の国と比較して「10倍以上の活動」を行なってきたという。同社は今年、液体金属の層と層の間に溶融塩を挟み込んだバッテリーの開発を進める予定だ。

ARPA-Eでは、その他の蓄電技術関連企業として、マグネシウム製バッテリー技術を開発しているPellion社、高エネルギー密度キャパシタ開発のRecapping社、空気電池及び液体電池を所有するPolyPlus社などと話をすることができた。軍やJohnson Controls社などの政府系もまた、自前で蓄電技術を開発している。

しかしながら、初期段階の科学技術革新というのは一般的にホームランを打てる会社というのはそう多くない。ビル・ゲイツは火曜日のスピーチで、この手のバッテリー・プロジェクトの失敗率はおそらく90%に上るだろうと述べた。だからこそ世界は何千ものアイディアを試してみる必要があるのだと。

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ソース: gigaom - Battery innovation is alive and well in the U.S. Feb. 29, 2012, 5:00am PT

(http://gigaom.com/cleantech/battery-innovation-is-alive-and-well-in-the-u-s/)